2011年7月28日木曜日

まこと 2010年9月27日


日付    2010年9月27日23:08
件名    由紀枝です こんばんわ
送信元    gmail.com
   
詳細を隠す 10/09/27
   
ねえ 漸くおじ様が描けたわ
ふふふ 残念ながらベッドシーンはなしでーす
祥子は以前 神山からの連絡を拒否していた事があり
そのままになっていて 祥子が一度逢いたいと申し出をしていました
しかし 二人はなかなか会うことが出来なかったの
でもね 祥子の男遊びの設定なので どのタイミングで
描いていこうか悩んでいたの ふふふ
そこで 丁度おじ様のお話があったので 描きました

以下 小説でーす

「運転手さん 青山3丁目で二人降り 僕は代々木上原までお願いします」
「はい 分かりました 交差点の少し手前で止めますね」
洋子と祐子は頷き 食後のショッピングやカクテルバーの話で盛り上がり
神山は一人蚊帳の外だった
青山3丁目で洋子と祐子が降りると 神山は洋子に
「じゃ 祐子を頼みましたよ」
「はーい 分かりました」
「祐子 今夜は分からないから 先に寝ていなさい」
「はーい ごゆっくりどうぞ 行ってらっしゃい」
タクシーが出ると 洋子と祐子は手を振って見送ってくれた
代々木上原の駅前に着くと タクシーを降りて駅前寿司に入った
時間はまだ7時前なので 祥子は着ていなかったが桃子が着ていた
奥の座敷から桃子が手を振り合図をしてきたので
「やあ こんばんわ 今夜はありがとう 助かるよ」
「ふふふ もう 突然なんだから 驚くわ」
「ごめんごめん でも ほら 若い人たちの意見も聞きたくてさ」
「またまた 顔を見たかったんでしょ もう 分かっているんだぁー」
「参ったなぁー ところで 調子はどう」
「絶好調よー 次回は優勝を争うわ 絶対に 真っ直ぐに飛ぶし
アイアンはほぼ狙い通りのところに落とせるようになったわ」
「おいおい 凄いなぁー もうこれ以上上達すると 追い越されるよ」
二人で笑っていると 女将がおつまみの鮮魚の盛り合わせやビールを
持って来てくれた
「女将 あと10分くらいで もう2名来ます お願いね」
「あいよー そうそう 美味しい照り焼きがあるけれど どうする?」
「うーん みんなが揃ってからでいいよ そうだ 10分したら焼いてね」
「あいよ 10分したら4つでいいかい」
「ええ 人数分焼いてください」
やり取りを聞いていた桃子が
「神山さんて 良く気が付くのね 改めて感心しました ふふふ」
桃子は神山の顔をまじまじ見つめながら 微笑んだ
「おいおい いつもそのつもりだけどな でも褒められたんだからいいか」
「そうよ いいでしょ こんなピチピチに寂しい思いさせて もう」
「わかった ごめんごめん そろそろ元気になったよ 大丈夫さ」
桃子は神山が元気と言うと 顔を少しピンクに染めて俯いた
「こらぁー 自分で言い出しておいて でもごめんね 時間を作るよ」
「ほんと 嬉しいわ でもね 今日からレディースディーなのよ 残念ね」
「そうか 分かった じゃその後だね」
「祐子さんと一緒でもいいよ 全然気にしていないし 楽しいもん」
「分かった 時間を作ります」

二人の約束が成立した時に 祥子と由貴が店に入ってきた
桃子が直ぐに気が付き由貴に手を振ると 由貴も合図に答えた
「やあ こんばんわ 先に頂いています」
「ごめんなさい お忙しいところ 時間を作っていただいて」
「そんな事はないよ これもお仕事ですからね 僕にとっては大事な時間さ」
祥子は少し躊躇し
「でも 良かったわ 改めてGOLのことを話せるし よかった」
祥子と由貴が落ち着いたところで 女将がビールとおつまみを運んだ
「ではGOL成功を祈願して かんぱーい」
みんなでジョッキをカチンと合わせると祥子が
「それで 早速で申し訳ないのですが メンズをどの様に位置づけし
どの様に展開するか 全然検討が付かないんですよ
あと ブースデザインは先日の打ち合わせで拝見しましたが
商品展開方法など ランニングを考えて行きたいと思っています」
神山は祥子がこの時期からGOLの事を考えてくれている事に
嬉しく思い 出会ったときの祥子を思い出した

「メンズはあくまでも御殿場発進のデザインで 全国展開の様子見と
位置づけする事は 知っていると思います ある部分アンテナです なので
婦人服との関連付けは考えなくてもいいと思います どうだろう浜野さん」
「はい 私も初めての事なので はっきりは分からないのですが
商品構成が全然違うステージなので 無理やり関連付けさせるより
見せていく部分で 例えば小物などで 雰囲気を醸し出す方法とか
逆に アンバランスな商品群を同じステージで展開しても面白いと思います」
「ええ 私も由貴先輩が話したように メンズがどのような形で
出来上がってくるか分からないじゃないですか だったら無理やり
同じステージで見せていかなくてもいいと思いますよ」
「そうだ 浜野さん メンズは僕のファッションが基本になるよ どうかな」
祥子は事前に知っているので クスクス笑い神山の手を取り立ち上がると
「ねえ どうかしら 似合っているかしら ふふふ」
神山以上に由貴と桃子は驚いていると 祥子は更に腕を組み
「こんな感じよ どう 似合っている?」
神山は完全に何もいえない状態だったが 由貴が落ち着いて
「神山さん マネキンの使い方で大丈夫だと思います
例えば 顔のメイクがないものや そうもっとシンプルに 目と鼻がない
シンプルなボディーなんかだと イメージが沸いて来ますよね」
「そうそう 変にメイクや顔の形があるとイメージが 固定されるでしょ
でも 何も無いとイメージが膨らんで ステージの違う商品でも
同じステージで展開しても全然 可笑しくないですよ 大丈夫です」
神山は漸く心に余裕が出来 席に座ると
「久保さん オープニングは僕達が 精一杯演出します しかし
ランニングについては まだなにも決まっていないんです しかし
イベント関係や 各ブースの集客プランについてはGプロで行います
そこで ディスプレイやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は
まだ はっきりと決まっていません なので今後の課題となります
当然 婦人服の新作とメンズの新作を展開しますが 大規模な構想だと
当然予算が絡んできます そこだけですね」
「そうすると 展開するには 私たちの力では限られた演出しかなく
ランニングを考えていくと 少し無理が出てきます そこで提案ですが
神山さんがポールに掛け合って頂き ランニングの予算捻出を
お願い出来ませんか そうすれば安心して 計画する事が出来ます」
神山は暫く考えたが 祥子のいう通りなので
「分かりました メンズアドバイザーと言う立場とGOLデザイナーと言う
ところで 経費の捻出を相談します 最悪はNNジャパンになり
筒井さんにも報告させていただく事になります 
でも 大丈夫ですよ ポールは分かってくれますよ」
神山の話を聞いた ニーナ・ニーナの面々は一安心した    

話が落ち着くと女将が運んできてくれた照り焼きなどを食べたりし
ビールも呑むと日本酒を頼んだりして 和やかに話が進んだ
由貴も桃子もGOLに対し積極的に意見や提案が出され 神山は
デザインに書き込みをしていくと 参考になる事案ばかりだった
おつまみや巻物を食べると由貴が桃子に
「桃子 そろそろ帰ろうよ 後はチーフと神山さんに任せましょう」
「はい そうですね 神山さん ご馳走様でした」
「いやぁー こちらこそ 貴重な意見をありがとう 助かったよ
そうそう もう遅い時間だから これで帰りなさい」
神山は二人に2万円ずつ渡し
「残業代少ないけど 気をつけて 帰ってくださいね ごめんね」
「わぁー ご馳走になって 残業代まで頂いて ありがとうございます」
由貴と桃子は神山と祥子にお辞儀をして お店を出て行った
「ねぇ あなた お部屋に来てくださる」
神山は一瞬考えたが
「うん いいよ」
神山と祥子は駅前寿司屋を出ると祥子のマンションに向かったが
以前のように楽しい会話がなく 神山も祥子も暗い道を歩くだけだった
神山は歩きながら その壁を取り除こうと思い考えていたが 足取りも重く
祥子は祥子でその空気を打ち破ろうと考えていたが 出来ずに
二人は言葉を交わすことなく 祥子のマンションに着いた

「ごめんなさい 私 寂しかったの」
「そうか 僕も祥子が自分から離れていった事が凄く寂しかったよ」
祥子はベッドの中で神山に充分に愛された後 少しずつ話してきた
神山と連絡を取れなくなったのは 別れた夫(黒石)がしつこく迫ってきて
自分一人で解決できず 黒石の当時の上司に相談にのってもらった
その上司は小島真人と言い 黒石と結婚することに反対をしていた
「なんで 僕に前の旦那の事を話してくれなかったの
祥子の悪いところだよ 自分で溜め込んで、、、」
「ええ、、、ごめんなさい」
「それで、、、」
「ええ 黒石の話は結局は財産目当ての話なんです それで 当時上司で
良く相談していた小島さんに 話したら 僕が話してあげると言われ
お任せしたんです ごめんなさい」
神山は祥子の髪の毛を弄りながら聞いていた
「最初は親切に私の悩みを聞いてくれていたの でも そのうちに
だんだんと 彼のことが私の中に入ってきたのよ ごめんなさい
私 寂しかったの だから、、、 ごめんなさい、、、」
神山は祥子と小島の交わりの事を聞きたくなかったが
「うん それで」
「ええ 貴方と会えない寂しさを小島さんに求めました ごめんなさい」
「でも いまさらだよね 今 経緯を話されても納得できないし
逆に 自分だったらそんなことしたら どうなるか、、、寂しいね」
「ごめんなさい」
「で 今も その小島って男と付き合っているの」
「、、、、、、」
「そうか、、、これからどうする」
「、、、、、、」
「まあ 僕は祥子次第だけど」
「、、、だけど 貴方は一杯女性に囲まれているし、、、」
「なんだよ」
「だって 洋子さんだっているし 私なんか必要ないでしょ、、、」
「なんだ その言い方 随分だね
はっきり言わせて貰うよ 仕事とプライベートは区別しています
それに 連絡をしなくなったのは 祥子からだろ
変な言いがかりは やめて欲しいな」
「ごめんなさい、、、、、、」
「それで その小島って幾つなの」
「ええ 52歳です」
「今も付き合っているんだろ」
「ううん それがね 浮気がばれて 逢っていないわ」
「ふーん」
「横浜の本牧に住んでいるの それで小島さんは婿養子なのよ
財産は凄いわ 小高い丘全部小島さんの土地で 驚いたわ」
「へぇー じゃ 奥さんと別れられないんだ ふーん」
「ねえ 戻ってきて お願い、、、」
「祥子 言っておくが 都合が良すぎるよ いくらなんでも」
「分かっているわ 恥じを承知でお願いしているの ねえ」

神山は祥子の寂しい部分を覗いたような気がして このまま泊まるか否か
少し考えていたが 余りにも自己中心的な考えに付いて行けず
「祥子 悪いけれど 今夜は帰らせてもらうよ」
祥子は結果を予測していたのか 以外にも明るい顔で
「そうね ごめんなさい お仕事にも影響するし GOLもあるし
私 あなたの事 待っています 今度こそ本気よ ねっ」
神山は明るくなった祥子の顔を見て少し安心し 帰り支度を始めた
1階のエントランスホールで祥子が
「GOLを成功させましょうね お願いします」
祥子は深々とお辞儀をすると 神山に抱きつきキスをした
二人だけの空間 祥子はこのまま時間が止まって欲しいと思ったが
「さあ お仕事お仕事 ふふふ おやすみなさい アドバイザー殿」
神山も祥子の事を思い 
「じゃ おやすみ」
大きなガラス戸が開くと 1回だけ振り向き祥子に手を振り大通りに向い
タクシーを拾うと 赤坂のスタジオに戻った


以上でーす
小島個人をこのタイミングで詳細を描けないのよ
それでなくても描かなければいけないことが一杯あって 
なので 祥子の遊びの原因と結果だけを書きました ふふふ
いいでしょ 婿養子で財産家よ 




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